2015年10月29日

おおさん


木々も色づき、いい季節になりましたね。
暑くもなく、寒くもなく、現場に行くのも気持ちいい時期です。
キノコなどおいしいものも多いですし。

ただ、この時期は猛禽類の非繁殖期ですので、あんまり猛禽類調査の需要がありません。
最近、季節労働者的な偏りがあります。
とはいえ、私の場合はこの時期に他の調査に出かけることが多くなっています。
空ばっかり見ているのも首が痛くなるので、地上とか水面のものを探すのもいいものです。
趣味や好みでいえば、まず手に触れることのない猛禽類よりも、
捕獲できる魚だとか両生類なんかの調査の方がおもしろみを感じることもあります。
最近、あんまりやってませんが、久しぶりに投網を打ちたいなあ。
若い頃はどっかの先生にタモ網の天才と持ち上げられたり、
カエル探しの名人とおだてられて山口県までタダ同然で連れて行かれたりしたものです。
どこかからお呼びがかかれば喜んで行きます。

てなことで、先日、川の調査に行ってきました。
渓流沿いを歩いて、どこが動植物の生息・生育環境に適しているか、といった調査です。
川の中をめったやたらに歩きますし、記録しなければならないことも多いので、
大変なのですが、ここはこういう環境だからこんな生き物がいるのでは、
などと考えながら歩くと結構楽しいし、わりと得意な調査です。

なんせ、希少生物の保全といったって、対象となる動物種のことだけを考えても、
保全にはなかなかつながりません。それは動物愛護と似たものがあります。
そうではなく、対象種と基盤となる生息環境との関係を把握し、
キーとなる環境要素の保全を考えないと。

といったお題目を頭の片隅に残しながら、実際は、なんかおもろいもんおらへんかなあ、
などと考えつつ、徘徊しているわけです。

そうすると、渓流の淵の中になんかでっかいものが。

PA280041.JPG

オオサン? とすぐにピンときたものの、夜行性ですしね。
滅多に昼間見られるものではない。まったく動かない。
似ているけど流木だろう、と思いつつ、カメラを水の中に突っ込むと、
こりゃあどう見てもオオサンショウウオ。

PA280042.JPG

それでもまったく動かず、まだ多少疑いがあったので、
手に持っていた赤白ポールで軽く突っついてみる。
そうすると、岩の裏に消えていきました。

オオサンショウウオは天然記念物なので、
文化財保護法により触れるなどの現状変更は違反とされており、
厳密には、突っついたことはお縄かもしれない。
いやあ、木だと思ってさわってしまったということでお許しを。

これは上流にさかのぼっていく途中に見つけたのですが、
帰りにもチェックしてみる。

そうすると、場所を少し変えて、また出ておりました。

PA280061.JPG

今度もカメラを突っ込んででっかく撮ってみる。
目までわかりますね。

PA280060.JPG

さらに、動画でもねらってみよう。
肉球みたいな指の先がいい感じ。



こんなのがたまに見つかるから川の調査もおもしろいんですよね。
こういうのをよく見つけるので、ぜひ川の調査にもお声がけよろしくお願いします。

ちなみに、今回見かけたオオサンショウウオは、在来でしょうか、
チュウゴクオオサンショウウオでしょうか。あるいは交雑種か。
分布的にはチュウゴクが入っていておかしくないところ。

両生類の専門家に見せると、チュウゴクくさい、とのこと。
私の見立てでは在来だと思うんだけど。
チュウゴクだと思うと魅力半減なので、在来であってほしい。
正確にはDNAを調べないとわからないとのこと。





posted by Kankyosekkei Co., Ltd. at 14:35| 生物調査 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月12日

EMSって?


紅葉のシーズンとなりました。
いや、そりゃ早すぎるんじゃないの?
と思われるかもしれませんが、もう私の現場では十分色づいたりしています。
それどころか、今年は8月から紅葉真っ盛りでしたし。

とまあ、会社のブログであるにもかかわらず、
前回まで紅葉だの動物だの個人的な旅行記を載せすぎたので、
今回は罪滅ぼしにまじめな会社のPRをしようと思います。

みなさんはEMSというと何のことかおわかりでしょうか。
いろいろ思いつかれるかもしれませんが、
「えらい、めんどうなこと言って、すんません」の略です。

もとい、ここでは、環境マネージメントシステム(Environmental Management System)
のことを言っております。
では、環境マネージメントシステムとは何かと言いますと、
「企業や団体等の組織が環境方針、目的・目標等を設定し、
その達成に向けた取組を実施するための組織の計画・体制・プロセス等のことを指す」
だそうです(by Wiki)。
私なりにわかりやすく言いますと、会社などが活動を通じて環境への影響を減らそうと、
目標、方針を設定します。それからそれを達成するための計画を策定します。
その計画の達成状況をチェックしていきます。
そのチェック結果をもとに新たな目標、方針、計画を策定します。
これら一連のプロセス、システムのことを言うらしい。

まあ、環境の向上のためのシステム作り、といったところです。

こうしたことを多少なりとも自らやっている人、自ら取り組んでいる団体は多いと思いますが、
それを第三者機関に証明していただこう、証明してもらって会社のPRにしよう、
それでもって、うちの会社は環境保全に熱心です、とアピールしよう、
というようなことが20年ぐらい前から始まったようです。

そういった証明・認証機関として、国際標準化機構(ISO)があり、
ここから発行される環境関連規格が「ISO14001」と言われるものです。
EMSの中では最も、というか飛び抜けて有名です。
なので、EMSとはなんぞや、ということを知らなくても、
ISO14001のことを聞いた方があるという方は多いと思います。
15年ぐらい前には大企業を中心にISOの取得が流行して、
「我が社はISO9000シリーズ(品質)を取得しました。ISO14001を取得しました」、
と、声高にアピールしている会社が多く見られました。
中にはおらが会社のシステムは世界一で、わけのわからん奴に証明してもらう必要なんぞない、
という剛の者もあったようです。

コンサル業界では、一時、ISO9001,ISO14001を持っていると、
国土交通省の業務の受注に有利になる、というような噂が流れて、
急激に認証取得が増えた時期がありました。
現在のところ、そうした動きはなくなり、
新たに取得するところは減っているんじゃないかと思います。

残念ながら、環境設計株式会社はISO14001は取得しておりません。
別に、世界一のシステムを持っていると自負しているわけではありません。
完全に乗り遅れました。
というか、中小企業で取得しているところは非常に珍しいのではないでしょうか。
何せ高い。
審査、認証までに数十万円かかって、さらに維持費にも年間数十万円かかる。
時間も手間もかかる。
というようなことから、長年見送ってきました。

それが、何でかこの4月からEMSを取得しました。
ISO14001ではありません。やっぱり高い。
どちらかというと中小企業・団体向けのKESというシステムに登録していただきました。

KES_登録証_A4.jpg

登録証です。

KESというのは、特定非営利活動法人 KES環境機構という期間が認証するEMSです。
ISO14001なんかに比べるとはるかに安価で手軽です。

KES以外にもいろんな認証機関があるようですが、私の知るところでは、
多少の手間は違うにしても、やることは似たようなもので、
有名どころに証明してもらえば、アピール度が違う、というところでしょうか。
でもね、ISOも国際とうたっていても別に外国人が審査に来るわけでもないんですよ。
なんであんなに高いのかわからない。ブランド料というだけではないか、と思ったりします。

それで、なぜ環境設計が新たにKESに登録したかといいますと、
これまでやってきた環境への取り組みをだれかに認めてもらおう、
認めてもらって対外的にアピールしよう、
それで世間様にいいイメージを持っていただこう、
という至極普通の目的です。

まあ、KESという比較的安価な認証システムを知ったということと、
EMSを持っていると多少仕事の受注に有利な発注者が現れだした、
ということが直接的なきっかけです。

そもそも、コンサル活動では多大な環境負荷を周辺に与える施設を設計したり、
自然環境への影響を低減するための方法を検討したりすることはあったとしても、
自らの活動のプロセスで大きな環境影響が生じたり減ったりということは少なく、
影響緩和のための取り組みということも限られるわけですが、
まずもってできることはこれまでもやってきていると思います。

コンピューターとかエアコンとか電子機器の省電力化、
それ以外でも節電、
社用車のハイブリッド化、
再生紙の使用、といったところ。
付け加えれば個人的に屋上緑化(多大なる貢献をしていると思う)。

なので、KESに登録するといっても、新たにこれをやる、
というようなものは特にありません。
ここでまあ、よく勘違いが生じているのは、ISO14001とかのEMSを認証されるには、
ものすごい取り組みを誓わせられる、とか、
環境負荷を著しく低減させなければならない、というふうに思われている方が多いということ。

EMSとは決してそういうものではなく、取り組みのシステム化、見える化が目的ですから、
負荷の低減に向けてちゃんと取り組んでおり、
取り組みがわかるようになっていればいいのです。
毎年のように環境負荷を低減させ続けないと登録から外される、ということもありません。

だから、逆にいえば、EMSを取得しているからといって、環境保全にすごく取り組んでいる、
環境に付加を与えない企業といった証明には本来ならないはずなんです。
このあたりはたぶん、世間的に誤解があるし、その誤解を利用しているようなところがある。

いずれにせよ、環境設計では、仕事のプロセスにおいて、
環境負荷の低減にまじめに取り組んでいますし、
仕事の結果として自然環境、社会環境ともによりよくなればいいな、
と思ってずっとやってきています。

それを第三者にも少しは認めてもらって、ちょこっと仕事の受注にも役立てばいいな、
と控えめに思ってKESに登録しました。

しかし、取り組みは昨年から始まっていて、この4月には登録されているのに、
会社のホームページそのものには何もふれられていないな。
控えめなんだねえ。
たぶん、私以外は忙しいんだろう。



posted by Kankyosekkei Co., Ltd. at 00:05| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする