2019年03月04日

クマタカカメラ 3/3 産卵


いよいよ3月、年度末です。
おそろしい時期となりました。

そんな中でも、クマタカが産卵するかどうか、やきもきしながら
送信されてくる画像を見ておりました。
クマタカの産卵時期は一般的には3月頃とされており、ピークは中旬のようです。
なので、2月に産卵することは希なはずですが、西日本では時折見られます。
今回、人工巣で営巣活動をしているつがいについては、
2月10日頃から造巣活動が非常に活発化し、
20日頃からは早朝、夕方に飛来することもあったので、2月中に産卵するのでは、
と思って今日か、明日かと毎日期待しながら待っておりました。
結局は月を越えて3月2日の夕方から3日の早朝にかけて産卵したようです。
どうせならとびきり早い記録を、と思っておりましたが、
早いほう、ぐらいで落ち着きました。
まあ、早ければいいというものでもなく、
とりあえず、産卵まで行き着いたことでホッとしております。
人工巣への誘致、という点ではもはや「成功」といっていいのではないでしょうか。

こういう記録も少ないと思いますので、産卵前後の経過を画像付きで紹介しましょう。
3月1日までは巣材運びが頻繁に行われても、ずっと巣に滞在している、
ということはありませんでした。
数時間巣材運びが続いても、飛来のない時間帯もある、というような。
あるいは、夕方とか早朝に巣に飛来しているので、
巣の近くでねぐらをとっていたのでしょうが、巣そのもので夜を明かす、
ということもなかったようです。
それが、3月1日の夕方暗くなってから雌が飛来すると、

1903011837.jpg

なんだか産卵姿勢といった形で固まります。1日18時37分の画像。
これ、「うっうまれるー」って感じでふんばっているんですかね。
そのままこの日は夜間も巣に滞在したようで、2日の早朝の暗いうちから巣におりました。
(19時から翌朝6時まで撮影を中断)
こりゃあ1日の夕方に産卵したか、と一時は思ったのですが、
2日の昼間は巣から離れていることもあり、まだ産卵していないことがわかりました。

1903021226.jpg

2日12時26分の画像。
それにしても産座あたりはヒノキの葉が置かれており、柔らかい感じがします。

2日は結局、一時的に巣から離れることがあっても、ほぼ1日中雌は巣に滞在していたようです。
それで、2日の夕方からまたふんばりポジションになりまして、

1903021651.jpg

これが16時51分。

1903021701.jpg

続いて10分後の17時01分の画像だと体が沈みます。
この間に産卵した可能性が一番高いと思ってます。

その後は体の回転があってもあまり姿勢を変えることなく夜まで滞在。

1903021856.jpg

こちらは2日の18時56分の画像で、2日最後のものです。

1903030606.jpg

こちらは3日06時06分の画像で、3日最初のものです。
たまたまかもしれませんが、前夜とほとんど動いていません。

1903030657.jpg

その後、抱卵していることがはっきり分かる姿勢となります。
こちらは3日6時57分の画像。

1903030923.jpg

続いて3日9時23分の画像。
胸の下に白い物体が見えます。少し体を浮かせています。

1903030934.jpg

3日9時34分の画像。また完全な抱卵姿勢。

1903031455.jpg

3日14時55分の画像。5時間以上ほとんど動かず。

1903031507.jpg

3日15時07分の画像。いったん立ち上がって完全に卵が見えます。

1903031759.jpg

その後、また抱卵姿勢に戻って夜まで抱卵継続。
これは3日17時59分の画像。

1903040839.jpg

最後が4日8時39分の画像。
今日も雨の中抱卵を継続しています。

以上のように確実なのは2日の夕方から3日の早朝にかけて産卵した、
ということですが、2日の夕方17時頃が有力ではないか、と思います。
現地のカメラには短時間ですが動画も記録しているので、いずれ分かるはずです。

ただ、1日の夜から4日まで識別が確実なところではずっと同一個体を確認しており、
雌しか飛来していないようです。尾羽に特徴的な損傷があって、
尾羽が見える画像では雌であることが確実です。
少なくとも、前回紹介した若い個体はここ数日まったく画像に写っていません。
昨日も今日もあまり天気が良くない、ということも関係しているかもしれませんが、
抱卵交代が行われていないようです。

こうなると、産卵はしたものの、継続されるか心配だなあ。

今年は他のつがいでも同様の方法で繁殖状況を観察してますが、
産卵を確認したのはこの人工巣のつがいが初めてです。
別のつがいもこれに続くことを期待しています。

また新たな展開があれば紹介します。






posted by Kankyosekkei Co., Ltd. at 13:24| 生物調査 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする