2012年11月16日

里山林整備 その後


本日、奥歯を抜きました。ごりごりごりごり。
歯医者様のなすがまま。
痛くて仕事にならないのでブログでも更新します。

先日、当社が調査、計画、設計した兵庫県加古川市にある里山公園に行ってきました。
平成19年度の業務で、当社で設計までやって、平成20年度末に施工されています。
自分がかかわった場所、整備計画まで担当したところがどうなったか、
というのは気になるところです。

現地にある案内板です。
こんな感じの里山公園です。

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加古川市郊外の農村集落や耕作地に囲まれた里山丘陵地で、
整備以前は落葉広葉樹林やアカマツ林主体の植生でした。
林内は、常緑広葉樹低木が繁茂して見通しも悪く、林床植生に乏しい、
生物多様性の低下した一般的にいわれる「荒れた状態」にありました。
さらには、竹林が拡大傾向にあって、ほっておくと全体が
竹林になってしまいそうな勢いでした。
整備前の森林の状態、

st.07.JPG

これを植生や昆虫類等の調査をやった上で、低木を切ったり、高木を間引いたり、
竹を切ったり、貴重種のあるところは保全したり、といった計画を練りました。
さらには、遊歩道を整備したり、案内板や休憩施設を作ったりして、
地域の人たちの憩いの場となるよう、あるいは環境教育の場となるよう、設計した業務です。

平成21年5月の整備直後の状態です。

DSCF0442.JPG

遊歩道と案内板。なかなかきれいに整備されています。

DSCF0424.JPG

展望休憩所に至る歩道。
すっきりしました。

DSCF0466.JPG

ちょっと時期を外してますが、コバノミツバツツジもきれいに咲いたことと思います。

DSCF0470.JPG

歩道脇もすっきりして見通しもよくなりました。

P1000382.JPG

竹林もまあ、きれいになったといえるのではないでしょうか。

その後4年が経過しました。
現在の状態(平成24年10月)。
写真写りが悪いのは行った日が雨でした。また、整備直後の写真とは時期が異なります。
そういった条件の違いはあるのですが、

PA170092.JPG

まあ、そんなに大きく変わったわけではありません。

PA170122.JPG

竹林もまだきれいな状態を保っていて、タケノコも採れるでしょう。

PA170121.JPG

フクロウの食べられた跡もありました。食べたのはオオタカでしょうか。
いずれにせよ、こうした高次捕食者が現れるようになったのは、
森林が豊かになったということを示しているのかもしれません。

ただ・・・

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一部の林は光が射し込むことでササが元気になってしまって、林床が覆われはじめています。
あるいは、

PA170094.JPG

シダに覆われています。
こうなると、生物多様性は低下していきます。
コバノミツバツツジなどの花のきれいな低木が育つことを期待していましたが、
それも難しくなっていきます。

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遊歩道沿いの林縁は、マント・ソデ群落が繁茂しつつあり、見通しが悪くなってきました。

PA170085.JPG

展望休憩所の周りのアカマツが枯れて、ちょっと気になります。

このように、いろいろと問題が発生しはじめているようです。
私としては、ササやシダの繁茂は予想していたことで、除伐、間伐の割合も決めて、
木を切りすぎたらこうなる、と、口を酸っぱくして言っていたのですが、
なかなか計画どおりにはいかないようでして。
切り始めたら止まらないようです。

また、歩道脇も伐採の幅を広げすぎたら光が射し込んでマント化する、と言ったのですが、
子供が迷うので見通しを良くする、ということでやらた広めに伐採されてしまいました。
逆効果ですね。

この事業は、整備は県がやって、管理は地元住民がやる、という取り決めのもとに
進められましたが、現在はあまり森林内の管理は行われていないような感じでした。
もちろん、もっと悪い状態になってから一気に作業をしてもいいのですが、
それだと徐々にするよりも大変になります。
一部住民に聞いたところ、「農地でさえ管理が行き届かないのに山の管理までできるか」
ということでした。それもそうでしょうねえ。

計画者としては、整備直後よりも、管理を継続的に行うことで、
時間の経過と共によりよい森林になっていくことを目指したかったのですが、
諸般の事情でなかなかそうはなりにくいようです。

別に、今の段階で、失敗事例、というわけではないのですが、
いろいろと個人的にも反省点のある業務です。
一つは、悪くなることが予想されたことに対して、発注者を十分説得できなかったこと。
コンサルタントとして力不足です。
これは、こういう事後の状態を写真や自主調査で明らかにすることで、
今後の説得材料にできれば、と思います。
整備過程にも携われればなあ、とも考えています。

もう一つは、計画に無理がなかったか。
当初から事後の管理が過剰な負担になることは危惧されていました。
もっと管理が少なくなるような計画にできなかったか、
管理を促進するような計画にできなかったか、という思いがあります。

いろいろ里山再生には課題があります。

今回はまじめな話ではありましたが、長ったらしく申し訳ない。

ドコモポイント

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2011年06月02日

コツメカワウソ in とくしま動物園

一昨年に設計した徳島県徳島市にあるとくしま動物園の改修工事がこの春竣工しました。
レッサーパンダパドックやフライングゲージなどが改修されましたが、
その中の一つ、コツメカワウソパドックでは寝小屋と水槽の新設されました。

この度コツメカワウソが水槽に慣れてきたことから
ゴールデンウィークに一般公開が始まったようです。

業務の詳細は、業務実績で紹介するとして、
「せっかくやるなら他の動物園にない水槽を!」
という熱い思いからできた水槽をぜひみなさまも一度ご覧ください。

ちなみにこの写真は各地の動物園でのコツメカワウソを
ブログにアップされている方より、
わざわざ郵送してくださった写真です。
本当にありがとうございました。(by nag)



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既設パドックに隣接した寝小屋と一体型の水槽

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いよいよ一般公開。

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ドジョウを捕まえるのもお手の。。。バッド(下向き矢印)

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おっと逃げられたあせあせ(飛び散る汗)

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今度は両手でGET! 成功!ダッシュ(走り出すさま)

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