2019年04月21日

クマタカカメラ 4/21 およっ?


あたたかくなってきましたね。
先週は富山の現場に1週間にいて、前半は雪がちらつくなど、さすが富山だなあ、
と思いましたが、後半は山の中でもサクラが咲き始めて、春への移り変わりを体験しました。
さて、先週から本ブログの閲覧者が増加気味で、何かあったんでしょうか。

ひょっとして、クマタカカメラの記事更新を期待されているのでしょうか。
まさか何事か起こることを予期している方がいらっしゃるんでしょうか。
まあ、そんなこともないでしょうが、少し期間も空いたので更新してみましょうか。

人工巣で営巣しているクマタカですが、前の記事で雄が若い個体ではないか、
そうだとすると、先行き不安だ、といったことを書きましたが、
まったくの間違いでした。

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こちら雄です。
後頭部に「ツノ」みたいなのが生えてます。
冠羽が突出しているのが特徴です。
クマタカのことを「角鷹」と書く地方もあったようですが、
その所以のようです。
しかし、この個体はかなり目立ちます。
抱卵期になってやっと雌雄が識別できたのですが、造巣期からよく飛来してました。
これを見逃していたなんて。まったくお恥ずかしい。

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こちらは雌です。
冠羽はほとんど目立ちません。
あと、雄に比べると少し色が薄く、顔の黒い部分が小さいです。
とはいえ、冠羽をずっと立てているわけではないですし、
角度や光線具合によって色なんかは全然違って見えます。
大きさも広角レンズなので当てにならないし。
以上、言い訳です。

そんなこんなで長い間抱卵が続きました。
その間、雪や雨が降った日もありましたし、気温も零下に下がる日もあって、
よく動かずに耐えるモンだ、と思っておりました。
落ち着きのない私としては、まったく頭が下がります。

4日前(4/18)のことですが、雌が卵を見ているカットが何枚か撮影されています。

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何か気になることがあったんでしょうか。

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すると、今度は雌がシマヘビを持って巣に戻ってきます。
直前まで雌は巣に滞在していたようですし、
おそらく、雄が持ってきた餌を巣外で雌に受け渡し、
雌が巣に運び込んだんだと思います。
抱卵中はあまり巣に餌を搬入することがないはずですが・・・。

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しかも、ヘビを全然食べずに抱卵を再開したようです。
結局、この後、雌は抱卵を継続して、ヘビを翌日まで食べなかったようです。

次の日になって、

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早朝に、雌が「およっ?」 と立ち上がります。
ヘビはそのまま残ってますね。
するとその10分後に送られてきた画像には、

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おおー! って感じですな。
雛が卵から出てきた瞬間を捉えています。
4月19日午前6時14分誕生です。
抱卵期間は47日間となりました。足かけ48日。
産卵日、ふ化日を若干の推測を交えて細かくいうと、47日と13時間です。
まあ、ものの本に書かれている見事に標準の日数です。
いやいや、こんな細かいことを抜きにして、少し感動しました。

そこから2時間半ぐらい、まだ雛の羽毛も濡れているぐらいの時間帯に、

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さっそくリスが搬入されました。
搬入者は写っていませんが、雄でしょう。

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午後になって、ヘビが少し減ってます。
雛に給餌したんでしょうか。リスは手つかず。
このカットいいですね。雛がすごくかわいい。

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ただ、まだしばらくの間、雛は自分で体温を調整できないので、
卵の時と同様、親鳥が雛をたいがいの時間は暖めます。
よって、ほとんどの画像では雛が親鳥の胸の下にいて、画像に写りません。

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15時台になって、はっきり給餌していることがわかる画像が写っています。
この時はリスのようです。

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夕方にはリスがもう1体増えました。
まだ雛が小さいのに、そんなにいらんやろ、という感じ。

次の日(4/20)、

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2日目の雛です。かーわいい。

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親鳥がいない瞬間。
今のところ、このカットのみ。
しかし、餌が一つところに積み上げられてますが、また一つ追加されてます。
リスの上に鳥が乗ってます。何という鳥でしょう。
鳥は羽根をむしってしまうので、原型をとどめず種類がわかりにくいんですよねー。
詳しくはカメラに挿入されたSDカードに保存されている動画を
回収後に詳しく分析するつもりですが、それでも分からないものは分からない。

3日目(4/21)、

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給餌してます。リスかな。
この日は餌の追加はなかった様子。
まあ、まだリスもヘビも小鳥も残ってます。

今日のところはこんなところで。
正直、抱卵期間は最初、おもしろかったものの、雌は寝ていることが多いし、
ずっと同じようなことの連続で、途中からは飽きてました。
しかし、なんとまあ、雛がふ化すると、おもしろいことで、かわいいことで。
驚きの連続です。

一番驚いているのは、ふ化の前日にヘビを雌が搬入したことです。
前にも書いたように、通常、抱卵中は餌を巣に搬入しません。
それが搬入したということは、雛がふ化することを予想したんでしょうか。
ふ化したときに備えて、餌を巣にしかも食べずにストックしておいたんでしょうか。
もし、そうだとすると、賢いですねえ。

ヘビ搬入前に何度か卵を見ているシーンがありましたが、
何か卵に変化があったんでしょうか。

フクロウの巣箱にカメラを設置しているSさんによると、
ふ化直前には卵の中で鳴く声が聞こえるとのこと。
そういう鳴き声を聞いて、もう「ふ化する」と気づいたんでしょうか。
あるいは卵をたたく音も聞こえたのか。
動画を回収するのが楽しみですね。音も記録されています。

今年、仕事に関わらないところでこうしたカメラを設置しているのは、
最初4カ所あったのですが、1カ所はいろいろあって回収してしまい、
残る3カ所のうち、産卵に至ったのは上記人工巣を含め2カ所です。

もう1カ所はまだ抱卵しています。

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これは自然の巣です。巣はかなり大型です。
こちらもあと1週間程度でふ化する見込み。
ただ、こちらは直上にカメラを設置しているので、画像としては人工巣の方がいいですね。

しかし、両方の巣とも上面は見事に青葉に覆われています。
また、青葉の多くはスギですが、人工巣の方は抱卵が進行するほど表面はヒノキが多くなり、
産座はすべてヒノキになってます。自然巣の方は産座だけアカマツの葉になってます。
スギはチクチクするんですかね。
こういういろいろ細かいことが勉強になります。

まあまたしばらくしたら報告します。
それまで一人で楽しんでおきます。





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2019年03月04日

クマタカカメラ 3/3 産卵


いよいよ3月、年度末です。
おそろしい時期となりました。

そんな中でも、クマタカが産卵するかどうか、やきもきしながら
送信されてくる画像を見ておりました。
クマタカの産卵時期は一般的には3月頃とされており、ピークは中旬のようです。
なので、2月に産卵することは希なはずですが、西日本では時折見られます。
今回、人工巣で営巣活動をしているつがいについては、
2月10日頃から造巣活動が非常に活発化し、
20日頃からは早朝、夕方に飛来することもあったので、2月中に産卵するのでは、
と思って今日か、明日かと毎日期待しながら待っておりました。
結局は月を越えて3月2日の夕方から3日の早朝にかけて産卵したようです。
どうせならとびきり早い記録を、と思っておりましたが、
早いほう、ぐらいで落ち着きました。
まあ、早ければいいというものでもなく、
とりあえず、産卵まで行き着いたことでホッとしております。
人工巣への誘致、という点ではもはや「成功」といっていいのではないでしょうか。

こういう記録も少ないと思いますので、産卵前後の経過を画像付きで紹介しましょう。
3月1日までは巣材運びが頻繁に行われても、ずっと巣に滞在している、
ということはありませんでした。
数時間巣材運びが続いても、飛来のない時間帯もある、というような。
あるいは、夕方とか早朝に巣に飛来しているので、
巣の近くでねぐらをとっていたのでしょうが、巣そのもので夜を明かす、
ということもなかったようです。
それが、3月1日の夕方暗くなってから雌が飛来すると、

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なんだか産卵姿勢といった形で固まります。1日18時37分の画像。
これ、「うっうまれるー」って感じでふんばっているんですかね。
そのままこの日は夜間も巣に滞在したようで、2日の早朝の暗いうちから巣におりました。
(19時から翌朝6時まで撮影を中断)
こりゃあ1日の夕方に産卵したか、と一時は思ったのですが、
2日の昼間は巣から離れていることもあり、まだ産卵していないことがわかりました。

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2日12時26分の画像。
それにしても産座あたりはヒノキの葉が置かれており、柔らかい感じがします。

2日は結局、一時的に巣から離れることがあっても、ほぼ1日中雌は巣に滞在していたようです。
それで、2日の夕方からまたふんばりポジションになりまして、

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これが16時51分。

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続いて10分後の17時01分の画像だと体が沈みます。
この間に産卵した可能性が一番高いと思ってます。

その後は体の回転があってもあまり姿勢を変えることなく夜まで滞在。

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こちらは2日の18時56分の画像で、2日最後のものです。

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こちらは3日06時06分の画像で、3日最初のものです。
たまたまかもしれませんが、前夜とほとんど動いていません。

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その後、抱卵していることがはっきり分かる姿勢となります。
こちらは3日6時57分の画像。

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続いて3日9時23分の画像。
胸の下に白い物体が見えます。少し体を浮かせています。

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3日9時34分の画像。また完全な抱卵姿勢。

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3日14時55分の画像。5時間以上ほとんど動かず。

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3日15時07分の画像。いったん立ち上がって完全に卵が見えます。

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その後、また抱卵姿勢に戻って夜まで抱卵継続。
これは3日17時59分の画像。

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最後が4日8時39分の画像。
今日も雨の中抱卵を継続しています。

以上のように確実なのは2日の夕方から3日の早朝にかけて産卵した、
ということですが、2日の夕方17時頃が有力ではないか、と思います。
現地のカメラには短時間ですが動画も記録しているので、いずれ分かるはずです。

ただ、1日の夜から4日まで識別が確実なところではずっと同一個体を確認しており、
雌しか飛来していないようです。尾羽に特徴的な損傷があって、
尾羽が見える画像では雌であることが確実です。
少なくとも、前回紹介した若い個体はここ数日まったく画像に写っていません。
昨日も今日もあまり天気が良くない、ということも関係しているかもしれませんが、
抱卵交代が行われていないようです。

こうなると、産卵はしたものの、継続されるか心配だなあ。

今年は他のつがいでも同様の方法で繁殖状況を観察してますが、
産卵を確認したのはこの人工巣のつがいが初めてです。
別のつがいもこれに続くことを期待しています。

また新たな展開があれば紹介します。






posted by Kankyosekkei Co., Ltd. at 13:24| 生物調査 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年02月19日

クマタカカメラ 2/19 造巣活動ますます活発


2月も下旬にさしかかって、一番寒い時期も過ぎ、春ももうすぐ、というところでしょうか。
とはいえ、我々建設コンサルタントにとっては繁忙期まっさかり、という感じになってきました。
我々にとっての春は4月1日です。
早いとこ2月、3月が終わることを祈るのみです。
しかし、工期はもうちょっと待ってくれー、と矛盾した願いをかかえてます。

そんな中、クマタカカメラについては一服の清涼剤、というか、
忙しい中でも画像が送られてくるたびに楽しくなります。

前回の報告で、しばらく人工巣に飛来してきていない、あやしい、
といったことを書きましたが、その後ほどなく、また活発に飛来するようになり、
ほぼ毎日巣材運びのため飛来しております。
最近では早朝や暗い時間帯にも飛来しており、巣の周辺でねぐらをとっている様子です。

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こちらは昨日の早朝の画像。
暗いうちからせっせと巣材を搬入しています。

また、巣の上には青葉付きの枝が敷き詰められていますが、
特に中央の産座あたりにはヒノキの葉が多くなってます。
スギの葉よりヒノキの葉の方が柔らかいので、
卵を暖めるには都合がいいのでしょうか。

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こちらは一昨日の巣の状況。
クマタカが在巣していると巣材の様子が見えないのですが、
このときはヤマガラが飛来したおかげで巣の全体を見ることができます。
センサー感度は少し落としているのですが、それでも小鳥程度に反応します。

いずれにせよ、巣の状態とかクマタカの飛来状況からすると産卵間近、
という感じで、いよいよ期待が高まってきました。

ただ、少し気になることもありまして、
巣の大きさは二羽並んで滞在できる、標準より少し大きい程度のはずですが、
雌雄が一緒に巣に滞在している瞬間がない。
ごくわずかに、1羽が滞在しているときにもう1羽が飛来してきた瞬間が写っているのみです。

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上の個体が飛来してきて、もう1羽が入れ替わりに飛び出そうとするところ。

どうもここまで撮影できている個体はほとんど同一の個体で、
つがいのもう一方の個体が写っていることが少ない。
雌雄いずれかのみが巣材運びをがんばっているように思えます。

並んで滞在していないのと、カメラが広角レンズなので少しの距離の違いで
個体の大きさがまったく異なって見えるため、個体の大小がよくわからず、
ここまで雌雄が確定できておりません。
ただ、どちらかというと、よく飛来してきているのが雌、という気がしています。

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この個体はよく飛来してきている方です。
頭の色が濃く虹彩が黄色であることなど十分に成熟した個体のようです。

もう一方のたまに来る方は全体的に色が淡く、かなり若く見えます。

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最初、スマホで見ていると2年前に巣立った若鳥がたまに巣に戻ってくるのか、と思いました。
よく見ると、2年目というほど若くはないですが、4、5才程度というところかと思います。
おそらくつがいを形成して早々で、初めての繁殖参加ではないでしょうか。
巣材運びにあまり協力していないようですし、巣での滞在時間自体が短く、
こういう個体で最後まで繁殖できるのかなあ、という不安があります。
これが雌だとまだいいのですが、雄が若いとハンティングがへたくそで、
餌が不足して繁殖失敗、ということになりかねない。

ところで、上の画像の足下を見ると、餌があります。
この餌は、成熟した個体の方が搬入したようです。

1902050826IMAG0263.jpg

餌を搬入したところ。
種類はよく分かりませんが、鳥のようです。
これを若い方の個体がもらったみたいです。

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それを若い方の個体が巣の上で食べてました。
こういう行動からすると、雄から雌に求愛給餌した、
だから餌をもらって食べていたのは雌だろう、というふうに普通は考えるのでしょうが、
感覚的にはもらった方が小さくて、そのわりに頭が比率的に大きく見え、
冠羽に突出羽根がありそうなことから、雄という印象があります。
また、以前紹介したことがありますが、クマタカの場合、雌が雄に餌を与えることもあるようです。
バレンタインの月ですし。
一方で、巣で餌を食べるのは普通、雛や幼鳥で、つがいの雌雄はあまり巣で餌を食べることがない。
このように若い個体は不慣れな感じがしますし、イレギュラーなこともするのでは、
というふうに思います。
しかしながら、私の見立てが間違っている方がいいなあ。
まあ、カメラに録画されている動画を見れば雌雄が並ぶ瞬間もあるかもしれませんし、
産卵すれば雌雄がはっきりします。
いずれにしても、もうまもなく、という感じですし、産卵を待とうと思います。

また新たな展開があれば報告します。



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