2018年05月07日

クマタカカメラ その後 三重版


つづいて、三重県に設置したクマタカカメラのその後。

こちらは昨年末に設置。
年末年始にかけてよくクマタカが飛来し、造巣活動。



雌雄が初めて飛来したときの映像です。



その後も順調に巣材運び、巣材整理に飛来していたのですが、
1月上旬に飛来がストップしてしまいました。
何が気に入らなかったのか。
昨年、この巣では育雛までやっていたようなのですが、
どうも途中で繁殖に失敗してしまったようです。
そういうことがあったので、この巣をいやがったんでしょうか。

その後はこのカメラも他のものを記録するだけのカメラに移行。

IMAG2816.jpg

こちらシジュウカラ。
こちらは日中しか撮影していないので、鳥が中心ですが、
やっぱりカラ類はよくやってきます。

そんなわけでクマタカが飛来しなくなった状況から、別の巣を設けて繁殖しているのでは、
と考えて観察に向かったところ。

DSC04292.JPG

雄の飛来があり、向かった先に巣を発見。

DSC04303.JPG

DSC04305.JPG

だいぶわかりにくいのですが、上下の画像を見比べてください。
中央やや左のスギの葉っぱに穴が空いているように見えるところに注目していただければ、
上は何も映っていないのですが、下ではクマタカの頭がのぞいています。
この位置に巣があって、抱卵しているようです。

かなり遠方からの観察なので、わかりずらくてすいません。

結局のところ、カメラを設置していた巣から100mぐらい上方の斜面に新しい巣を作ってました。
カメラの結果としては残念ですが、繁殖していたのでまあ良し、としよう。

そんなわけで、今年クマタカの繁殖状況観察用に設置した画像送信型カメラはいずれも空振り。
まあ、クマタカの繁殖成功率は3割程度といわれているし、営巣地を移動することもよくあること。
仕方がない。
特に三重県に設置したカメラはアングルがよかったので、残念だなあ。

ここで設置していたカメラは無駄になったので、早々に回収してしまいました。
また別のところでまたの機会に取り組みます。





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クマタカカメラ その後 和歌山カメラ


ゴールデンウィークが終わってしまいました。
といっても、社会人になって以来、この時期は調査業務のとっかかりであったり、
鳥の繁殖期にあたるので、あんまりまとめて休めた記憶がない。
ところが、今年は端境の平日まで休むほどではないですが、
わりと暇で、連休はしっかり休ませてもらいました。

その間、ライフワークになっているクマタカの繁殖状況の観察に行ってました。
なんのことはない。休みといっても仕事でやっていることと大して変わりません。

ところで、正月早々に今年はクマタカの2つの巣に遠隔監視カメラを設置、
繁殖状況などを本ブログで紹介するとしておりましたが、その後、
まったくそれにはふれておりませんでした。
なぜかというと、結果が芳しくないから。

ですが、ひょっとすると興味を持たれている方もいらっしゃるかもしれないので、
結果を報告しておきます。

まずは和歌山県で設置しているカメラから。
カメラ自体は一昨年の年末に設置してからずっとそのまま。
昨年の繁殖初期には造巣活動に飛来してましたが、
そのうち飛来しなくなり、繁殖もしなかったようです。
夏頃に1回だけだったか飛来がありましたが、
今繁殖期はまったく飛来なし。
残念な結果となりました。
ただし、映像としてはいろんな動物が記録されています。

PICT0354.jpg

こちらムササビ。夜間はよくやってきます。

PICT0427.jpg

こちらはモモンガかな。
さっきのヤツよりだいぶ小さい。
上からの画像だとどうもよくわからない。

PICT0375.jpg

こちらヤマガラ。カラ類はよく来ます。特に繁殖期になってから。

PICT0429.jpg

こちらカケス。

PICT0407.jpg

こちらイカル。

PICT0386.jpg

こちらアオバト。

こういった感じでクマタカがぜんぜん飛来しないので、別の巣で繁殖しているのではないか、
と思って4月早々に観察に行ったところ。

DSC04239.JPG

こちらクマタカの雌。誇示飛翔をしています。

DSC04227.JPG

おなかの羽毛が乱れてない。
4月上旬はクマタカにとって抱卵期にあたりますが、抱卵している場合には、
たいがいおなかの羽毛が乱れます。
そういうのが見られないので、抱卵していないのではないか、と推測。

DSC04271.JPG

その後、雄も出現して雌雄でつっかかり。
これは求愛行動のようです。
繁殖していない雌雄は、こういった繁殖初期にみられるような求愛行動をよくやります。

どうやらこのつがいは今年、繁殖しなかったようです。
そうなると別の巣があるかどうかもわからないし、
またカメラを設置してある巣を使うかもしれないので、
カメラはしばらく放置するつもり。
これからも対象としていないいろんな動物が記録されることでしょう。






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2018年04月09日

目を離せない


あけましておめでとうございます。

今頃なんのこっちゃ、と思われるかもしれませんが、
我々のような建設コンサルタント業界においては、年度末の繁忙期が終わって、
新年度となる4月は、正月のような気分です。

旧年度中はお世話になりました。
新年度も環境設計(株)をよろしくお願いします。

ご挨拶も正月ふう。

ところで、年度末の繁忙期が終わると、
それまでとはがらっとかわって、暇になります。
この時期に周りの人は新年度業務に備えて、
身の回りの整理をしたり、たまっている領収書を精算に回したり、
研修にあてたりと様々ですが、私の場合はたいがい休みを取ります。
休み中は毎年だいたいやることが決まっていて、
スキー&猛禽観察。
スキーをやって筋肉痛になったら猛禽観察。
猛禽観察に飽きたらスキー、という感じ。
行き先も滋賀から岐阜、信州、北陸と遠征しますが、
今年は滋賀から長野どまりでした。

長野は白馬でスキー。

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八方尾根です。
景色も滑りごたえも最高で、八方は一番好きなスキー場です。
スキーは繁忙期に落ちた体力を回復させるためのトレーニングでもあるので、
結構ハードにやります。

さて、もう一方の猛禽類調査ですが、こちらもトレーニングの一環として、
あえて厳しめの観察ポイントに行きます。
ただ、早春季の山歩きというのは楽しいもので、

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フクジュソウが咲いてました。
スプリングエフェメラル(春植物・春の妖精)の代表的な種であり、
雪割草とも言われます。

今回は趣味でもありますが、個人的な研究活動でもあります。
滋賀県の鈴鹿山地に研究対象としているフィールドに行きました。
調査地点は山の頂上に近いガレ場の尾根です。

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急な尾根に無理矢理立ってます。少し動くのも不自由します。
この日は3月31日だったのですが、

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サシバが群れで渡っていきました。

DSC04114.JPG

大本命のイヌワシも確認。ただし、遠い。
これは雌でして、繁殖活動が順調ならまだ抱卵しているはず。
残念ながらまた今年も繁殖失敗かあ、という結果。

もう一方の観察対象であるクマタカも確認。

DSC04121.JPG

わかりますかね。奥の広葉樹横枝にとまっているのですが、
手前のスギの葉にほとんど隠れてます。
前の営巣地に近いところから出てきたので、
今年の営巣地特定、繁殖状況を把握するためには、
こんなわかりにくい状況でも望遠鏡から目を離すわけにはいきません。

そんなとき、斜面の下の方からがさごそと。
何者かが近づいてくる音が聞こえてきたのですが、
目を離している間にクマタカがどこかに行ってしまうと、
せっかくここまで来た意味がなくなってしまうので、
我慢して観察を継続します。
そうすると、さらに近づいてきて望遠鏡をのぞいていても、
何者かが目の端に入ってきます。
それでも、シカの多いところなので、どうせシカだろう、
あるいはイノシシか、こんなガレ場に滅多に来ないけど。
それともアナグマあたりか、それにしては少々音が大きいが。
などと考えていると、なんか大きいし、黒い。
さすがに、アレ? と思って望遠鏡から目を離して、
おそるおそる下の方を見てみると、
のっそのっそと黒い大きなものがゆっくり近づいてくる。
間違いなくクマさんです。
ぜんぜんこちらに気づいていない。
餌をお探し中のようです。
カメラカメラ、と思ったのですが、山に登るためにできるだけ軽量化しようと、
残念ながらこの日はいつもポケットに入れているデジカメを持っていない。
そこで、普段は写真を撮るのに使わないスマホを取り出して、
操作をしていると、ますます近づいてくる。
その距離、4,5m。
下を横切るかと思っていたのですが、上の方にいるこちらのほうに方向転換なさる。
さすがに危ない、と思って「ここに人がいるよ」と
クマさんに声をかけさせていただきました。

そうすると、クマさんもびっくりしてあわててご逃亡。
一目散に砂と石を蹴立てて斜面下部におかくれになりました。
スマホのシャッターを切る前に声をかけてしまうところが
まだまだアマチュアカメラマン、というところですね。
いやいや命には換えられませんから。

なんとか逃げていくクマさんの後ろ姿をぎりぎり撮影しました。

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三脚の足の下の方、わかりますかね。

クマ.jpg

拡大するとこんなんです。
ブッシュめがけて突進してます。

クマコース.jpg

クマさんのコースはこんな感じ。
いくらなんでも近づきすぎだろう、という。

そんなアホな。ここまで近づく前に人に気がつくだろう、
と思われるかもしれませんが、こちらがまったく動かなければ、
野生動物といえどこんなもんです。
逆にいうと、こちらから音を立てるなどしないと、
危険な動物とも出会ってしまうことがよくあります。

さて、そのクマさんですが、どうやら子連れの雌だったようで、
親が逃げていった後に、ゆっくりもう少し小さくごそごそという音が続いていきました。
冬眠明けの子連れとはなかなかデンジャラスな出会いでした。

それにしても鈴鹿山地では数年前までクマはいない、とされていました。
それが、ここ数年で出没情報が相次ぐようになり、
3年前には県境のどちらでクマを放したか、などという事件も起こりました。
それでもまだ繁殖している、という情報は公にはないようですが、
今回の件で繁殖していることがわかりました。

いやあ、恐ろしい。
とはいっても、2年前に長野で雄熊に突進されたときに比べれば、
今回は余裕がありました。
こちらが先に気づいたということ、斜面上部にいたという立ち位置の有利さ、
こちらの方が若干体が大きい、ということで、
先に大声を上げてびっくりさせれば逃げていくだろう、
と思えるぐらい落ち着いてました。
まあ、クマさんとの遭遇も何度目かなので。

しかし、クマはやっぱり増えてますね。
どこでも注意しないと。

そんなこんなで私のスプリングブレークはハードな上に
なかなかにスリリングなものとなりました。





posted by Kankyosekkei Co., Ltd. at 19:48| 生物調査 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする