2019年01月01日

謹賀新年


あけましておめでとうございます。

旧年中はお世話になりました。
特に、環境設計株式会社が50周年を迎えたということで、
祝賀イベントにご参加いただいた方、暖かいお言葉をちょうだいした方、
本当にありがとうございました。
昨年に50周年ということは既に51年目を迎えていたということですが、
何となく昨年が50周年という節目の年で、
今年から新たなスタート、という気持ちもしております。

さて、今年の会社の年賀状は以下の体裁となりました。

年賀状2018revrev(outline).jpg

O君のデザインです。
左右のQRコードは会社のHPや50周年記念に作成した会社の歴史動画につながります。
写真は私から提供しました。
最初は調査室にはふんだんにある、センサーカメラによるイノシシの写真を
メインにしようとしていたようです。

ニホンシノシシ.jpg

09143364revrev.jpg

まあ、それはそれで迫力があったり、
うり坊であればかわいかったりするのですが、
何というかありきたりだし、
あまりメッセージ性がないように思えたので、
即却下。
冒頭の写真・デザインに変えてもらいました。
O君はデザインの観点からきれいに見える方、優れている方に流れようとするのを、
私がメッセージ性の強いものを求めた、ということでした。

すなわち、イノシシの群れを環境設計株式会社にたとえ、
困難な雪の中でも斜面の上の方にみんなでがんばって登っていこう、
あるいは登っていきます、といった意味を込めました。

なんだか昨今のワークライフバランスとか働き方改革、
といった流れに逆行している、スポ魂的な雰囲気を醸し出している、
かもしれませんが、やっぱり技術の会社であれば上を目指さないとね、
努力は必要だ、と思います。

さて、込めた気持ちはそんなところですが、
映像の元は以下の動画です。



冬の多雪地帯での猛禽類調査で撮影した映像です。
距離は1.5kmぐらい離れた谷を挟んだ道路上から撮影しています。
イノシシは女系家族で群れを作るらしく、
先頭がお母さん、続いて娘が何頭か続き、
小さいのはその年とか前の年に生まれた子供のようです。

動画を見ていただければわかりますが、先頭が交代しません。
普通、複数人で雪の中をラッセルするのであれば、先頭は後続に比べて何倍も苦しく、
しんどくなれば先頭を変わることで、スピードを維持します。
このイノシシの群れは先頭が止まると群れ全体が止まってしまいますね。
交代することをしません。
変わるとしんどいのでいやがるのでしょうか。
それとも先頭はボス、というような決まりがあるのでしょうか。
どうも効率が悪そうです。
先ほど、この群れに環境設計をなぞらえましたが、
環境設計はボスがとまっても後続がボスを踏み越えて進んでいってほしいですね。

あと、イノシシは足が短く、体重が重いので、雪の中での行動を得意としません。
動画の中でも苦しんでいる様子が見て取れるかと思います。
なので、多雪地帯にはイノシシはこれまで分布していませんでした。
それが、だんだん雪が少なくなってきているということもあるのでしょうが、
それよりも、個体数増加により、今までいなかった多雪地帯まで分布を広げているようです。
しかし、この映像の場所は日本でも有数の豪雪地帯なので、
イノシシも苦労しているようです。

イノシシの群れもフロンティアを目指して奮闘しているのでしょう。
私も、環境設計株式会社も、彼らと同じように今年もがんばっていこうと思います。

本年もよろしくお願いします。


posted by Kankyosekkei Co., Ltd. at 18:56| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年12月26日

クマタカカメラ 2019


クリスマスも終わって年の暮れ一直線、という感じですね。
昨年はこの時期インフルエンザにかかって年明けまで小学生並みに大連休、
という感じでしたが、今年は元気です。

さて、一昨年からやっているクマタカカメラ。
−クマタカの営巣地にセンサーカメラを設置し、繁殖画像を送信させるというシステム−
来年もやります。
というか、クマタカの繁殖期はもう始まっているので、
早くやらねばということで、継続箇所の電池交換等のメンテナンス、
新規箇所の設置は既に終わってます。
今年は継続1カ所と新規3カ所の合計4カ所あるので、どれか当たるでしょう。
今から楽しみにしています。

このうち1カ所は既に頻繁な巣材運びが始まっています。

IMAG41301.jpg

今からそんなに活発になって、産卵時期までエネルギー持つ?
という感じ。
たぶん、冬型になって刺激され、繁殖活動が一時的に盛り上がっているんだろうと思います。
そのうち落ち着いて、また活発になってを繰り返すんでしょう。

さらに、今回は新しいこともひとつ始めました。
今年は西日本を強い台風が通過しました。
その結果だろうと思うのですが、クマタカの巣の多くが落ちてしまいました。
落ちたら落ちたで勝手に巣を新たに架けるでしょうし、
繁殖できなくなる、というものでもないのですが、
クマタカの巣はかなり大きなものなので、巣を架けるという作業にも
大きなエネルギーを費やすはずです。
これを助けてやれば少しはクマタカも繁殖しやすくなるのでは、という感じです。
落ちた巣の代わりに人の手でクマタカの巣を整えてやろう、との計画です。
絶滅危惧種であるクマタカ保護策の一つの試みです。

といっても、クマタカの場合にはそれほど営巣環境に苦労している、
という種でもないので、どちらかというとこちらの都合で、
人工巣のノウハウ、実績を得る、ということが目的です。

近年は道路やダム事業などの代償策として、猛禽類の営巣地を影響範囲外に
誘導するため、人工代替巣を設置することがよく行われるようになってきました。
特に道路事業において、オオタカを対象にした事例が多数あります。
個人的には人工巣という対策については、環境改変の影響緩和には
まったく寄与しないので、どんなもんだろう、と思うところ多々ありますが、
工事中影響からの緊急避難策として、あるいは、本当に営巣環境喪失というような、
一定の条件下では有効な方法なんでしょう。

ただし、クマタカの場合にはあまりうまくいっているわけでもないようです。
それなりに人工巣を設置した事例はあり、そのうち何割かはクマタカ自体、
飛来してきてことはあるようですが、産卵、育雛、巣立ちまで到達した事例は
ごくわずかなようです。
公共事業の場合、うまくいけば宣伝されますが、失敗に終わった場合には
公表されないことが多いので、失敗事例は私が知っているよりも
多いんだろうと思います。
おそらく、クマタカの人工巣が成功する確率は現在のところ、
非常に低く、この確率からすると「当てにしていい」保全策とは言い難い、
というのが現状かと思います。

当社としては、クマタカについて、好適環境の抽出から候補木の選定、
人工巣の設置まで一通り手がけた経験があり、
繁殖させた事例もあるのですが(未公表)、
多少は他事例を参考としながら、大部分は経験からくるカンでもって、
「クマタカさんこんな感じでどうでしょう」、
とおそるおそるやってみただけで、まあ正直なところ、
手法を確立したとは言えません。

そんなわけで、前置きが長くなりましたが、今回、クマタカの人工代替巣を設置、
そこにセンサーカメラも設置して利用状況であるとか、繁殖状況を見守ろう、
というプロジェクトを開始しました。

対象のつがいは、昨年繁殖して、今年は繁殖しなかったであろう、というもの。
台風通過後に営巣地を見に行ったところ、昨年使用した巣は見事に落ちてました。
元の営巣地はスギ植林の林縁にあるスギにありました。
今回、落ちた巣の代わりに、ということで人工的な巣を提供しようというもので、
同じ木、同じ枝だとおもしろくもないので、別の木にしましたが、
元の巣から他の場所に誘導したい、という理由もないので、
元の営巣木から数十メートルの似たような環境にあるスギに人工巣を架けました。

PA210001.JPG

こちら架ける前の木。
なんでこの木にしたかは単なるカン。

PC130005.JPG

こちら架ける前の枝。
90度ぐらい開いた2本の枝に設置しました。
普通、猛禽類は3本の枝に巣を架けますが、クマタカの場合は2本の場合もあるようです。
ただ、その場合ももう少し枝の角度が狭いことが多いようです。
自然の枝でそう都合の良い枝を探すことは難しいので、
そこは人が手を貸す、ということで今回のようなクマタカにすれば
巣を架けることが難しそうな枝であっても巣を架けてしまいます。

PC160021.JPG

こちら途中経過。
残念ながら巣の構造は秘密です。

PC160033.JPG

こちらは最終形状。
どんなもんでしょう。
一見するとクマタカの巣のように見えます。
以前、やった時には巣材をあまり積み込まず、もっと基礎構造に近い、
骨組み以外のレイアウトはクマタカの好きなようにしていただこう、というようなものにしました。
まあ言うならば、建築用語でいうところのスケルトンインフィル住宅(試験のため覚えた用語)
を提供した、というところです。
それでクマタカさんには気に入っていただけたのですが、
今回、それと同じだと知見の収集にならないので、
クマタカの巣にわりと近い形状を模してみました。
とはいえ、下が透けるような状態で、繁殖中のクマタカの巣に比べると、
まだまだ巣材の積み込み不足です。
まあ、後はクマタカさんにお任せしましょう。

それで、この巣が完成したのが12月16日のことです。
本当はもっと早くやりたいところではあったのですが、
それまでちょっと忙しくて遅くなってしまいました。
この時期からクマタカに警戒されず、使うようになるかな、
と思うところもあったのですが、

IMAG00611.jpg

12月24日には早くも飛来あり。
このときは1回限りだったので、「あれー、何これ?」といった感じの興味本位、
もしくは、「なんじゃこりゃあ、誰がいったい?」といったように、おそるおそる、
だったのかもしれません。

ただし、

IMAG00651.jpg

翌25日には巣材運びも確認しています。
新居は気に入っていただけたかな。
それとも他の多くの事例のように、最初だけに終わるのか。

今後、いろいろ楽しみです。



posted by Kankyosekkei Co., Ltd. at 22:13| 生物調査 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年12月25日

祝! 大阪万博2025 開催決定


メリークリスマス!

本日は、クリスマスということですが、プレゼントが空から降ってこないものか。
と思うのですが、そういえば、大阪府民・市民には先月のことながら、大阪万博開催決定、
というでっかいプレゼントがありました。
55年ぶり開催、だそうで。
大阪以外では盛り上がってない、との話を聞きますが、大阪でも7年後のことなので、
盛り上がりはまだまだです。
とはいえ、大阪人にとっては久々の景気のいい話です。

今さら万博? などと意義や効果について否定的な言説もよく見かけますが、
景気なんて気分によるところも大きいので、大きなイベントで盛り上げることも
大事なんじゃないでしょうか。
今の世の中、ネットで何でも見られるのに、展示もので人が呼べるのか、
という話もありますが、そんなこと言ったら、サッカーワールドカップとかテレビで見られるのに、
外国まで多くの人が見に行きますよね。媒体を通してみるのと体験・体感は違う、
というのを多くの人が知っているからではないでしょうか。
逆にいうと、成功の鍵は興奮を呼ぶような体験・体感を与えることができるかどうか。

さて、環境設計株式会社はこの万博とどう関係していくのでしょうか。
今のところよくわかりません。
なんとなく、会場整備に関係して、何らかの仕事があるのではないか、
という漠然とした期待があるのみです。
というのは、まだ、会場の場所が決まっているだけで、
レイアウトも何にも決まっていないからです。
何をやるのかすらあやふや。
やることが決まったばかりですからね。
まだ7年あります。
とはいえ、世界中の人を呼ぼうというのですから、会場の夢洲だけでなく、
大阪の街をもっときれいにしないと。それには7年あっても十分ではないような気がします。

まあ、会場整備にせよ、大阪の都市環境整備にせよ、関西造園界が果たすべき役割は大きい、
と思いますし、関西造園界の老舗である環境設計株式会社は、
単に降ってくる仕事を待つだけではなく、「万博会場はこうあるべき」とか、
「大阪の街をこうしよう」とか意見を発信していくべきかと思います。
ともかく、環境設計が万博に何らかの貢献ができればいいですね。

振り返れば、環境設計株式会社は今年で50周年を迎えましたが、
前回の大阪万博の時は、まだ会社が生まれたばかりで、特に貢献できなかったようです。
神戸のポートピアや愛知万博にも何か関係したとは聞いておりません。
ただ、沖縄海洋博には多少関係したようですね。
跡地の記念公園の計画にも携わったようですし。
本格的に関わったのは、大阪国際花と緑の博覧会(1990年、大阪市鶴見区)。

1990_博覧会_大阪花博.jpg

中央ゲート地区の設計を担当したそうです。
詳しくは、会社HPの業務実績を見ていただければと思いますが、
基本構想の策定段階から関わり、中央ゲート地区の設計では、既存のメタセコイアの大木を活用し、
花の万博にふさわしい正面玄関づくりをしたとのことです。
ちなみに、私はまだこのとき学生でしたが、土木作業員のアルバイトをしていて、
ケニアとかタンザニアの庭園の整備に関わってました。
期限ぎりぎりでむちゃくちゃしんどかった。

続いて、国際園芸・造園博のジャパンフローラ2000(淡路花博、兵庫県淡路町)。
国際庭園展示において「新しい庭園文化の創造」をテーマに、
国際庭園展示会場のゲート部に「兵庫の庭」〜大地の景〜を創造したそうです。
兵庫県の自然景観を表現したとのことです。

2000_博覧会_淡路花博(兵庫県の庭).jpg

淡路花博でもう一つ。
世界中のキク科植物を植栽した百段苑について、花の配置をデザインしたそうです。

2000_博覧会_淡路花博(百段苑).jpg

このように、花とか緑とかに関係する博覧会では、それなりの貢献をしてきている、
と思うのですが、次の大阪万博では何ができるんでしょう。
環境設計株式会社も大阪花博だとか淡路花博当時よりはだいぶ業務内容が広がっており、
公園とか緑地に関する設計ばかりでなく、環境に関する地域計画だとか、
観光PRとか、公園緑地の管理に関する仕事にも携わるようになっています。
それだけいろんなことができるはずで、何ができるか
正月休みにでもゆっくり考えていきますかね。

反面、万博開催でかなわんなー、ということもあります。
環境設計株式会社の最寄り駅は、地下鉄中央線、もしくは堺筋線の「堺筋本町駅」ですが、
中央線は今でも大阪の代表的な観光地である大阪城と海遊館を結んでおり、
USJへの移動にも使われることが多くなっています。
このため、海外からの観光客がけっこう多くて、
昼間には列車内に外国人の方が多いんじゃないか、ということもあるぐらい。
この中央線が万博会場の夢洲まで延伸するらしい。
なので、万博開催期間はさらに多くの外国人が中央線を利用することになるでしょう。
半年に及ぶとのことで、その間、通勤にも影響しそう。
まあ、地下鉄を利用される外国の方は、マナーが比較的良くて、
そんなに迷惑した、というようなこともありませんが、
これが、倍とか3倍とかになるとどうなるんだろう、という気がします。
また、今でも大阪城公園とかは外国人であふれているそうです。
災害とかあるとどうなるんだろう、と思います。
外国の方も万博を見に来たら、それ以外のところにも観光に行くでしょうし、
今でも京阪神の観光スポットはオーバーフロー気味なので、
観光地整備は急務ということになるんでしょう。
万博開催までにいろいろ解決しなければならないことは多いようですね。

(代)


posted by Kankyosekkei Co., Ltd. at 14:51| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする